中国にとっての民主主義とは何か?

 愛知学院大学公開講座「民主主義とは何かをもう一度考える」の第3回を受講。

 習近平国家主席は中国を民主主義と位置づけ、欧米諸国の議会制民主主義を「人民が投票の時だけ呼び覚まされる」ものに過ぎないと痛烈に批判する。

 習近平氏が定義する民主主義は人民(労働者・農民等)が「法律に従う」こと。人民は法律の制定のために「討論」することはできない。人民に必要な法律は党(前衛党・共産党)が一方的に制定する。

 また民主主義の本質についてナチスドイツを正当化した政治学カール・シュミット(独)と同じく「同質性」に置き、異質なるものを排除し、自らに対する国民の喝采を重視する。具体的には習近平思想を党規約に盛り込むなどして個人崇拝を推進する。

 だた今日の中国共産党は前衛党とは言えない(2002年民間企業家の入党を認め、今日ホワイトカラーが主流となる)。今日の中国共産党は有徳にして博識な「士大夫(バックボーンは儒教である)」の集団と化している。

 毛沢東の独裁政治の後、改革派(胡耀邦趙紫陽両総書記)が伸長したが、『習近平氏の独裁政治後、改革派が復権する可能性がある。1960年代生まれの指導者層は80年代後半の民主化運動からなにがしかの影響を受けていると見られる(経済が発展すれば)。