EU離脱とイギリス政治

  ナゴヤ・シティ・カレッジ講座でイギリス国民や政党がEUから離脱する際の国民投票に対する投票行動や主張などについて受講した。

 2016年国民投票結果について一連の行動を事前の世論調査、地域的分断、政党内での対立、離脱派の主張(移民も英国人も差がないため移民を制限する。EUから偉大な英国・主権を取り戻す。英国はEUに週約450億円も拠出していると正確さよりも過大でインパクトのあるように訴えたことなど)、投票行動(性別、年齢、階層、支持政党、所得、学歴、650選挙区別)等の分析により説明を受けた。

 離脱派の階層はブルーカラー・労働者・貧困層、支持政党は保守党、イギリス独立党。ただ政党間対立というより政党内対立で二大政党間(保守党、労働党)の競争では決着がつかなかった。

 他には従来の政党間対立、EU国民投票後の政党対立、2019年総選挙結果、選挙区ごとの変化、ジョンソン首相、ジョンソン首相退任後、有権者が最も重視する争点(経済)等の説明があった。

  最後に現在の政党支持率は保守党25%、労働党48%(2022年11月)。政権支持率スナク首相支持11%、不支持69%(2022年11月)であり、次の総選挙は労働党への政権交代か?

             講師:近藤康史 名古屋大学大学院教授